January 20, 2012

 前回の続き
 激痛に耐えて、いよいよ手術室へ向かう車椅子に乗り込んだおおめしであった。

 車椅子に乗り込んだあたりが胆石発作の絶頂で、これは多分なをさんと同じくらいの痛みであったろう。
「う゛ーう゛ー、う゛るるるるー、う゛ー」
 と、うなりっぱなしで、野生生物っつーか畜生って感じになってた。何を話しかけられても、返事が「う゛ー、はい」だった。
 手術室の入り口で着いてきたなをさんと別れて、手術担当の看護士さんに引き渡された。お医者さんだったかな? 名札見せて挨拶してくれたけど、もう頭に入らん。オイラが痛がってることはみんな知ってて(当然か)、
「痛いよねえ? もうちょっとだよ! もうすぐ手術だから」
 と、励ましてくれるのだった。
 オイラも痛いがちょっと気力がわいてきて、
「じゅじゅづー、う゛ー、じゅじゅづ、う゛れじいでずー」
 と、声を震わせながら答えるのであった。ちゃんとした声が出なかったな。痛みで痙攣してたのかね?

 体を支えられながらフラフラ歩いて手術台にのぼり、「大丈夫ー? 体伸ばせる?」とか気を使われつつ、術衣を脱いでおむつ(T字帯)いっちょになって、仰向けに。
 そしたら、むりやりこの日に手術予定を入れ込む手配をしてくれた、メガネくんのお医者さんもやってきた。つーか、執刀医だよね。手術自体はチームでやるけど、担当はこの方。
「唐沢さーん、今日手術にしといてよかったね!」
「ええ! ええ! マジで感謝じでまずー」
 痛みが無かったらハグしてブッチュしたいくらいだったけども、痛くないんだったららそれほど感情は高ぶらない。男と女って難しいわね…ってなんか違う。

 そして、枕元にいたちょっと年配のお医者さんが酸素マスクみたいなのを取り出した。
「さー、あと5分! いや、3分で痛くなくなるよ! まず痛み止めが出てくるから!」
「うれじいずー。いだみどめー」
 と、マスクを口に当てたら呼吸するたびに、じわわわわと痛みが引いていった。すげえ、即効性! やっぱ手術用のガスはケタ違い。
「もう、痛くないよね? 次は眠くなるのが出てきますから」
 こっちのガスもものすごい即効性で、あっという間に意識がM78星雲のかなたに飛んでいったのであった。

 はっと目が覚めて、がばっと起き上がりそうになったけども、お医者さんたちに止められた。
「まだ起きちゃダメだよ。手術、終わりましたよー。痛くないでしょう、よかったねー」
 体を見ると術衣が着せてあって、腹が少し締め付けられてる感じになってた。
 オイラは開口一番で
「腹腔鏡でできたんですか?」
 と聞いてしまった。多少痛み止めで止めてた時間はあったけど丸1日は痛かったので、炎症起こして開腹手術になっちゃったかと思って。炎症がひどいと腹腔鏡はできないんですよ。
「うん、腹腔鏡ですよ。こんなに大きな石があったよ。ナースさんに渡しておくからね」
 と、見せてくれた小瓶にチョコボールくらいの石が三つ入ってた。
「うおー、でっけ!」
 と、思わず叫ぶほど。そのあと、なぜかオイラは誰かに声をかけたくてたまらず、手術室を出てからもずっと話してた。麻酔のせいでハイになったんだろうか? 前の手術のときも同じ状態だった。しかし、ここの病院の麻酔はすばらしくスッキリと目覚める。スゴイ。

 そして、そしてまったく痛くない! すばらしいい〜〜! まだ麻酔が効いてるせいもあるけど、なんたる幸せ。病室に戻ってからは傷の痛みも多少感じましたが、それまでの痛みに比べればぜんっぜん!
 お医者さんによると、大きくてまん丸な胆石が3つ胆嚢に入っていて、ひとつが胆嚢の出口あたりにかっぽりとハマッていたそうで、こいつが痛みの現況ですかね。胆嚢の外側から、石の形が浮き上がってた。こりゃ痛いよなあ。胆嚢も胆汁でパツパツに膨れていたので、まず針を刺して中身を抜いてから摘出したそうです。

 しかし史上最悪の胆石発作の日に手術ができるとはなんとも劇的な出来事でした。なぜか去年、奇形膿腫の手術した日と同じ日に手術だし、運命を感じますですね! それにつけても痛くないって幸せだ。なをさんを初めとして、胆石の発作を経験した人が「痛くなる前に取るほうがいい」って言うのもわかりますわ。オイラも胆石持ちを見つけたら、絶対にそう言うだろうなあ。

 森永製菓 チョコボール キャラメル 29g×20個森永製菓 チョコボール キャラメル 29g×20個
販売元:森永製菓

販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る




Posted by oomeshi (14:22)

トラックバックURL